瀬戸染付焼(せとそめつけやき)とは?
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「新製染付焼開発の事」「染付焼物御発端の事」等によれば、文化4年(1807年)に加藤民吉が肥前の地での修行から帰郷し、同人が会得した磁器の焼成方法などの技術・技法を瀬戸の土地で広めたとある。
一方、絵付けは「瀬戸市史」によれば山本梅逸(1783〜1857年)ら絵画師から絵付けの指導を受けたとあり、加藤民吉が広めた焼成技術と南宋風の画風を施す絵付けの技術などが相まって大いに発展し、19世紀央までには瀬戸染付焼の技術・技法が確立した。その後、絵付け師の努力により、瀬戸の自然を写し描く瀬戸独自の染付技法に発展し、現在までその製法が継承されている。
瀬戸染付焼の大きな特徴は、素焼きした生地の表面に直接筆で緻密な模様を描く「下絵付け」にある。呉須絵具の藍色を基調にした色彩で鳥や花、昆虫や風景を陶磁器の表面に細かに描く技術、そして潤いを持った絵にするための焼成方法・ねらし(最高温度を一定時間キープする)は、当産地独特のものである。 |
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